少し広い部屋で鳴らした時に低音不足が感じられる場合にお薦めです
  Alpair5v2SSをコンパクト・バックロードホーン『CBLH-A5』に取り付けたシステムは、聴取位置が3mほどまでは低音不足を感じることは無いと思いますが、それ以上離れて聴くと大型システムの低音表現との差が感じられるようになるかも知れません。
 そのような時のお薦めは、しかるべきサブウーファーを『CBLH-A5』と組み合わせて、Alpair5v2SSの鳴りっぷりを維持したまま低音域の表現力を増大させるやり方です。
 ただし『A5』はB5サイズより小さなコンパクト・バックロードホーンですから、大きな箱のサブウーファーを導入するのは似合いません。
そこで、ジャスト・LPジャケットサイズとも言える、ウーファーユニットそのものに近いサイズで余裕の低音が出せる「ダイポール型ウーファー」を製作してみました。

写真1(クリックで拡大)
 ダイポール型サブウーファー
ダイポール型サブウーファー

写真2(クリックで拡大)
ダイポール型サブウーファーの背面

写真3(クリックで拡大)
ダイポール型サブウーファーの前面開口部

図1(クリックで拡大)
ダイポール型ウーファーの周波数特性・インピーダンス特性


図2(クリックで拡大)
ダイポール型用イコライザー回路

写真4(クリックで拡大)
サブウーファーの上にCBLH-A5

写真5(クリックで拡大)
サブウーファーを間に置いた場合



「ダイポール型ウーファー」は欧米で製作例の多い方式で、幅の狭いスロット内でウーファーユニットを対向させて配置し、開口面積を絞ることで音波の流速を数倍に速め、ユニット背面の音波との流速の違いを生み出すことで低音域の音圧を上昇させる方式です。
 ユニット背面は後面開放になっているので音波の放射パターンが双極特性(ダイポール)を描きます。筐体の外形寸法は低音域の波長より短いため、後面開放とすると音波が前面に回り込み打ち消しが発生しますが、前後で音圧差があるのでウーファーとして成り立ちます。

[写真1]は、今回試作した、2本の20cmウーファーユニット(GRS社8SW-4)をダイポール型にした『CBLH-A5』用のサブウーファーです。ご覧の通り、LPジャケットサイズより一回り小さい投影面積となっています。
 前面開口部はスロットになっており、対向する2本のウーファーユニットの向きと90度の方向の隙間から音が出るようになっています。このスロットの奥は閉じており、前側にのみ音(風)が出てきます。

[写真2]は、後ろ側から見たもので、片側のユニットが見えています。ユニット背面は完全に開放されており、こちら側からは前面と逆相の音が出てきます。開口面積が大きいため、こちらからは音は出てきますが風は出てきません。

[写真3]は、前面開口部スロットを正面から見たものです。スロットの開口面積は使用するウーファーユニットの実効振動板面積(Sd)の1/4の面積となっています。最大変位量(Xmax)が10mmを超えるユニットを使用するときはSdの1/3の面積が推奨されています。ユニットの周辺にボルトが見えますが、左右のバッフル板を4本のボルトで強固に固定するためのものです。

ダイポール型ウーファーの使用上の注意は、前面開口部がスロット(奥が閉じたいわゆる閉管)になっているため、「閉管共鳴」という現象が必ず発生することです。
 今回のダイポール型ウーファーでは、スロットの奥行きが250mmのため、これが1/4波長となる340Hz近辺で共鳴音が発生します。(左図1の上側グラフの黒色の線。下側のインピーダンスカーブでも340Hzに小さなピークが出ています。)

 これは完全に耳につく周波数ですので取り除く必要があります。通常行われる対策は、共鳴周波数の信号を除去するノッチフィルターを通してからウーファーユニットに出力します。

 具体的には、左図2のようなローパスフィルター回路、および最低域のレベルを上げるローブースト回路、そして共鳴周波数を取り除くノッチフィルター回路を組み合わせたイコライザー回路を製作し、これを通してからウーファー用アンプに送り込みます。

 ウーファーはステレオで2個(ユニットは4個)でも良いですが、サブウーファーが担う周波数帯域では左右が分離している信号は多くありませんので、図2の回路のようにステレオ信号を合成してモノラルとする、いわゆる「0.1ch」で十分だと思います。サブウーファーが1個ですめば置き場所の悩みも半減しますし、パワーアンプもモノラルもしくは1chあればOKです。

 以上の結果、左図1の上側グラフの赤色の線のようなサブウーファーの特性が得られました。
コンパクト・バックロードホーン『CBLH-A5+Alpair5v2SS』で通常のステレオ再生を行い、それに加えてダイポール型サブウーファーのレベルを合わせます。サブウーファー用アンプのボリュームを上げ下げするだけですが、どの程度にするかの判断は難しいものです。オーディオチェックCD(レコード)か楽器の数の多い演奏を再生してみて、ご自分が好ましいと思われるバランスにすれば良いでしょう。人の声の再生も有効ですね。

写真4は、サブウーファーの上に『CBLH-A5+Alpair5v2SS』を載せてみたものです。ちょうど幅は同じくらい、奥行きはサブウーファーの方が若干短くなっています。この大きさで「鬼太鼓座」の28Hzや「松居慶子」の33Hzを再生可能なのですから、お手軽です。

※ ご質問等がありましたらこちらまで

※ このダイポール型サブウーファーは、豊島区の区民広場西巣鴨第一で毎月第2日曜日の14:00〜16:00に開催されている「半世紀前の音楽文化をレコードで聴く会」(LPレコードコンサート)の音響設備として使用していますので、ご興味のある方はレコードコンサートにお越し下さい。

『半世紀前の音楽文化をレコードで聴く会』
  開催日:原則として毎月第2日曜日 14:00〜16:00
  会場 :豊島区 区民ひろば西巣鴨第一 集会室 (所在地 〒170-0001東京都豊島区西巣鴨2-35-3、都電 庚申塚駅より徒歩5分)
  主催:区民ひろば西巣鴨第一、ラジオ技術コンテンツ分科会
第28回 8月12日(日) 日本の流行歌 第29回 9月9日(日) シンセサイザの音楽
開催日 テーマ 主な アナログレコード
4月8日(日) ビートルズ(6) イエローサブマリン、アビーロード
5月12日(土) 映画音楽 サウンドオブミュージック、ウェストサイドストーリー
6月10日(日) モノラル盤のJAZZ(1) マイルス COOKIN、クリフォード Study in Brown
7月8日(日) アメリカン・ポップス ビーチボーイズ、カーペンターズ Now & Then
8月12日(日) 日本の流行歌  
9月9日(日) シンセサイザの音楽  
 

※5月は土曜開催
 突板貼りの例ブルー塗装した例 無垢オーク製バッフル板を取り付け
これが標準です リアビュー ラックに収まる設置方法
■ こんな楽しみ方が
 上掲の写真は、上左から突板貼り、ブルー塗装、無垢オークバッフル
 下左から標準と標準のリアビュー、ラックに収めるように横置き2台設置(横幅45cm高さ13.3cm)、と色々な姿に変えて楽しむことが出来ます。
 コンパクトですから手間もそれほど掛かりません。
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